HERMÈS LEATHERWORKS
ボルドー(フランス)

この皮革工房のプロジェクトは、ドルドーニュ渓谷とアンベス半島の景観の中に位置づけられる。この建物の意図は、職人をプロジェクトの中心に据え、彼らの動きやすさと幸福を追求することにある。 

北面採光は、その安定性と一貫性によって、職人の緻密な作業に寄り添うと同時に、プロジェクトの方向性を平面計画とボリュームの双方で導く。構造体を外皮から切り離し、2つのボリュームを斜めに配置することで、北からの光と豊かで奥行きのある眺望が可能になるだけでなく、アトリエが集う内部の風景も育まれる。アトリエの寸法と革の作業台の大きさから生まれた構造グリッドは、すべての空間が時間とともに変化し、適応することを可能にしている。リムーザン産の米松の構造体は、焦がした木材で覆われている。木は一度焼かれると、皮革の外観や木目を彷彿とさせるテクスチャーを帯びるが、タンの製造に使われる樹皮もまた同様である。 

職人へのこだわりだけでなく、この建物は周囲の景観とも関わっている。1996年に埋め立てられたにもかかわらず、この区画にはまだ湿地帯と古い溝の痕跡が残っている。新しい湿地帯を作り、水の存在を強化し、地元の景観に固定され適応した植物ポットを使用することで、建物は周囲の環境と一体化する。

期間
2017年コンペ入賞
プログラム
皮革工房
面積
敷地: 57 000 m², 床面積: 非公開
協力
AIA (構造、設備), BMF (積算、プロジェクトマネジメント), FBC (環境), CCVH (音響), Kaplan Projets (ランドスケープ), BEGC (調理室)
事業