国立灯台博物館
ブレスト(フランス)

ブレスト港と水平線の境目にある国立灯台博物館は、第1埠頭とそこに建つ競り場を再創造し、ブレスト港に新たな息吹を吹き込む。この伝達と解釈の場は、周辺環境に自らを刻み込む。このプロジェクトは、競りの記憶を壁の中に取り込むことで保存し、明らかにすると同時に、新たな歴史を刻み込む。既存の建物は好奇心を刺激する暗く不透明な箱とランドスケープに面したパノラマ空間という常設展示スペースとなる二つの増築部分のために残される。

瞑想的な時間をところどころに挟みながら館内を進むと、来館者は次第に街から切り離されていく。この動きは、灯台のイメージの象徴的な要素である「上昇」を象徴したものである。建物の中心で、来館者は教育のためのフレキシブルなスペースであるトランスミッターと出会う。途中で企画展と遭遇したあと、垂直の上り坂の最上部には、常設展示のスタート地点がある。来館者は、光、素材、眺望といった様々なことを体験する。環境に開かれた場所での没入型の大パノラマ、計算されたビュー、建物北側の内省的な空間。五感を多面的に刺激することで、演出されたオブジェから地平線の非物質性へと、知覚されるスケールの違いを通して、この緩やかな上昇を理解することができる。

期間
2019年入賞
プログラム
博物館、オフィス、子供のためのワークショップ
予算
Confidential
面積
敷地: 2 440 m², 床面積: 1 571 m²
協力
OTCE (構造, 設備), Kanopé (ランドスケープ), ALHYANGE (音響), dUCKS (舞台), LMpolymago (グラフィックデザイン), BMF (積算)
クライアント
Conseil Départemental du Finistère, SAFI (Société d'Aménagement du Finistère)
事業