パリ政治学院
パリ(フランス)

「Coeur2022」プロジェクトの一環である、パリ政治学院の新都市キャンパスの中心となる建物は、パリ中心部のデリケートな都市環境において、都心型キャンパスのタイポロジーを再考するものである。7区にあるHotel de l’Artillerieの歴史的文脈に織り込まれたこのプロジェクトは、現存する3つの回廊、新旧の建物の間につながりを作り、それらを1つの多様で統合された学術機関へと変化させる。 

中央のガラス張りのパヴィリオン「エマージェンス」は、透明で開放的なプラットフォームの中に、常に変化し続ける学校生活のシーンを作り出し、見せている。前面の大きな回転窓が開くと、内と外が完全に連続する感覚的な体験を提供される。パビリオンのコンセプトの中心にあるのは、多様性と交流という大学の価値観を反映した開放性と透明性の原則である。 コンクリートの灰色、鉄の灰色、ガラスに映るパリの空の灰色など、さまざまなニュアンスの灰色を使い分けることで、このプロジェクトは、その静かな色調の中に普遍性と時代を超越した美学を表現している。スラブ、柱、ボリュームの生々しく実直な美しさを引き出し、周囲の威厳ある遺産建築と調和している。ガラスのファサードは歴史的建造物を映し出し、そこに繊細な新しい光を反射させる。その純粋で素朴な建ち方を通して、パビリオンは都市とキャンパスを自然につなぐものとなり、将来的な重なり合う時間同士の交流の場となる。

パリ政治学院の「Coeur 2022」は2021年末に完成し、2022年1月にオープンした。

 

期間
2021竣工
プログラム
オーディトリアム、教育施設、管理、学生カフェ、スタジオ、展示スペース、図書館
予算
42 000 000 €
面積
床面積 : 16 106 m²
設計
モロークスノキ, Wilmotte & Associates (調整), Pierre Bortolussi (遺産)
協力
Groupe Sogelym Dixence (開発), Franck Boutté Consultants (環境配慮設計), Mugo (ランド スケープ), Barbanel (設備), TERRELL Group (ファサードエンジニアリング), SASAKI (キャン パスコンサルタント), CORELO (プロジェクトマネジメント), Maris Mezulis (写真)
クライアント
National Foundation of Polytechnical Sciences (FNSP)
受賞歴
Prix Versailles 2022, Architizer A+Awards 2022, Grands Prix SIMI 2022
事業